2019年05月24日
ここからはじまった
1999年。
在外研究員として10ヶ月間、プレトリアの自然史博物館に滞在しました。民族昆虫学の研究でしたが、民族昆虫学と博物館をどのように社会に生かすか、も課題としました。半年間民族昆虫学の研究史と動向をまとめた後、フィールドワークにでました。そこで知り合ったのが、今回のプロジェクトのメンバーの一人の研究員。食用カメムシに関心をもっていました。そして、博物館滞在中に知り合ったのが、もう一人、水問題の地理学者先生です。カメムシ研究員さんとは彼女の博士論文執筆やその後の研究でも連絡をとりながら、地理学先生はESDの国際会議が名古屋であったときにいらして、へぼ祭にいきました。その二人が同じ大学で知り合い、今回の二国間プロジェクト申請へと至りました。その課題が「在来知識と食用昆虫を環境教育に生かす」というものです。
博物館滞在中には、調査成果を生かして、博物館展示替えも企画しました。結果的にはベンダの小屋と資料展示だけにとどまってしまいましたが、それでも家と生活にどれほど昆虫が関わっているか、そこからどんな昆虫に関する知識が得られるかを展示しました。シロアリのアリ塚土で作った家と床、食用のバッタ、カメムシ、シロアリ、それらがさまざまなおかずの一品であること、などなど展示に盛り込みました。これは、当時の社会状況の変化の中どうやって博物館を社会に開くか、また生活や身近な自然からどうやって科学への関心をもってもらうかということへの挑戦でもありました。
それから20年、残念ながら博物館はいろいろな面で残念な状況になっています。当時の面影はなくなっています。この展示も照明がなくて見づらいです。それでもお客さんが熱心にみてくれていました。なかには小屋の中に入って再現する人も。自分の親がこうしていたんだとか、自分は食べないけど、友だちは食べるんだとか、話が弾みました。展示から広がっていくことがあります。
まさにこのプロジェクトの原点です。受け入れてくれた昆虫学の先生、その後ニュージーランドに移ってしまいましたが、その時の仕事と意気込みが今も受け継がれています。研究を続けていて、このプロジェクトをやって、そして今回来ることができて本当に幸せだと思いました。これも関わって下さったみなさんのおかげとご縁の賜です。
博物館滞在中には、調査成果を生かして、博物館展示替えも企画しました。結果的にはベンダの小屋と資料展示だけにとどまってしまいましたが、それでも家と生活にどれほど昆虫が関わっているか、そこからどんな昆虫に関する知識が得られるかを展示しました。シロアリのアリ塚土で作った家と床、食用のバッタ、カメムシ、シロアリ、それらがさまざまなおかずの一品であること、などなど展示に盛り込みました。これは、当時の社会状況の変化の中どうやって博物館を社会に開くか、また生活や身近な自然からどうやって科学への関心をもってもらうかということへの挑戦でもありました。
それから20年、残念ながら博物館はいろいろな面で残念な状況になっています。当時の面影はなくなっています。この展示も照明がなくて見づらいです。それでもお客さんが熱心にみてくれていました。なかには小屋の中に入って再現する人も。自分の親がこうしていたんだとか、自分は食べないけど、友だちは食べるんだとか、話が弾みました。展示から広がっていくことがあります。
まさにこのプロジェクトの原点です。受け入れてくれた昆虫学の先生、その後ニュージーランドに移ってしまいましたが、その時の仕事と意気込みが今も受け継がれています。研究を続けていて、このプロジェクトをやって、そして今回来ることができて本当に幸せだと思いました。これも関わって下さったみなさんのおかげとご縁の賜です。
Posted by のらなか at 00:00│Comments(0)
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