新築祭
夜通しのシンシンが明けて、いよいよ本命の精霊が登場です。おおぜいの村人に囲まれ、2人の兄弟による精霊が踊っています。やがて、この村でずっと調査をしてきた先生と私の前にでてきました。そして村人に見守られる中、貝貨クラが手渡されました。交換儀礼という話は人類学的に学んできましたが、まさか自分がその中に今も入ることになるとは思ってもみませんでした。家を建てることは、そこの土地にいれてもらうことです。ご先祖様から受け継がれるものを自分もまた受け継ぎ守っていくこと、村人に受け入れてもらうこと、一つ一つの儀式をこなしていくことがそこにいれてもらうことなんだと実感しました。ラオスの村でも家を建てて住まわせてもらいました。そのときも、同じような祭をしました。自分の家を建てた時、地鎮祭や上棟式や親戚一同を招いた会はやりましたが、ご近所にあいさつはしても受け入れてもらうような集まりはありません。コミュニティの一員にもなる祭、それのできる社会の大切さもまたあらためて考えました。新しいホームになりました。
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